- not so Frequently Asked Questions - update 2004/11/29
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学術論文の投稿にgnuplotを利用する例ここでは,学術論文を投稿するときに添付する図をgnuplotとTeXで作る方 法を紹介します.論文投稿の際の図のフォーマットは学会誌の規程毎に違いま すので,あくまで一例です. 論文の図を送付する一般的な方法は,図を別紙にまとめておきcaptionだ けの紙を添付する,captionを図中に入れる,の2通りが考えられます. captionの入れ方によってちょっと方法が異なりますが,やりかたそのものは 同じです.これをLaTeX2eで作ります. 図を作る際の注意最初に図だけをgnuplotを使ってEPSで作っておきます.その際,以下の点 に注意します.
例としていくつかの関数をgnuplotを使って描いたファイルを用意しました. TeXでまとめるA4サイズの紙一枚につき図一つを入れたものを,論文に添付して投稿する 方法を考えます.Figの番号が10まであれば,それらを用紙10枚に分けて印刷 するという意味です.また,各用紙には,図の番号やcaption,投稿者の名前 と所属を書き込んでおくように指定されている場合がありますので,必要に 応じてこれらも入れるようにします. 上で作った4つのEPSをA4サイズのPostscriptに作り変えます.LaTeX2eの graphics (or graphicx)パッケージを用います.figure.texという名のファイ ルを用意して,gnuplotで作ったEPSをこの中に取り込みます.ファイルの始め の部分を以下に示します.
\documentclass[12pt]{article}
\oddsidemargin 0mm
\evensidemargin 0mm
\topmargin 0mm
\headheight 0mm
\headsep 0mm
\topskip 0mm
\textwidth 160mm % 210 - 25x2 mm
\textheight 235mm % 297 - 30x2 -2 mm
\baselineskip 12pt % single space
\usepackage[dvips]{graphics}
\begin{document}
\pagestyle{empty}
\includegraphicsでEPSを取り込み,\resizebox を使っ て図の横幅がdocumentの横幅程度になるようにEPSを拡大します.ページの上の 方に図の番号と著者名・所属を書き込んでおきます.次の例では,これらを 右寄せにして表示しています.
\begin{flushright}
Fig.~1~:~ Kawano, T. (LANL)
\end{flushright}
\vskip 1cm
\begin{center}
\resizebox{150mm}{!}{\includegraphics{besj0.eps}}
\end{center}
\clearpage
図のcaptionまで含める場合は,figure環境を用います.この場合は図に ラベルを付けることができますので,2行目の図の番号にカウンタを用いるこ とができます(勿論,上の例でも自分でカウンタを作れば可能ですが)
\begin{flushright}
Fig.~\ref{besj0}~:~ Kawano, T. (LANL)
\end{flushright}
\vskip 1cm
\begin{figure}[b!]
\begin{center}
\resizebox{150mm}{!}{\includegraphics{besj0.eps}}
\caption{Bessel function, $J_0$.}
\label{besj0}
\end{center}
\end{figure}
\clearpage
複数のプロットをまとめて一つの図にするには,tabular環境を使って配 置すると簡単です.上の4つのEPSを2行2列にまとめて一つの図にしてみます.
\begin{flushright}
Fig.~5~:~ Kawano, T. (LANL)
\end{flushright}
\vskip 1cm
\begin{center}
\begin{tabular}{cc}
\resizebox{70mm}{!}{\includegraphics{besj0.eps}} >
\resizebox{70mm}{!}{\includegraphics{besj1.eps}} \\
\resizebox{70mm}{!}{\includegraphics{besy0.eps}} >
\resizebox{70mm}{!}{\includegraphics{besy1.eps}} \\
\end{tabular}
\end{center}
\clearpage
図の文字はさらに小さくなりますので注意が必要です.上の例でも,もう少し 字が大きくなるようにEPSを作り直した方が良いでしょう. 横向きの図を作る横長の図をA4縦の紙に印刷するには, \rotatebox でEPSを90度 回転させます.横向きにすると,図をもう少し大きく拡大できます.下の例で は図の横長さ(印刷では縦の長さ)を20cmに伸ばしました.
\begin{flushright}
Fig.~6~:~ Kawano, T. (LANL)
\end{flushright}
\vskip 1cm
\begin{center}
\rotatebox{90}{%
\resizebox{200mm}{!}{\includegraphics{besy1.eps}}}
\end{center}
\clearpage
ページ毎のPostscriptを作る以上の方法でFig.1〜6までを作るTeXファイルは,以下のようになります. このTeXファイルをコンパイルし,dvipsでPSファイルを作れば,投稿用図の 完成です. % latex figure.tex % dvips figure.dvi -o figure.ps figure.psの中に,Fig.1から6までの図が,それぞれ一つの図につき1ペー ジづつに分けられて入ります.このPSファイルを印刷すれば6枚の図が完成で す. American Physical Societyの esubシステムのようにPostscriptでsubmit できる場合は,図一つに対してPSファイルを一つ用意しますが,これもdvips を使うと簡単にできます. % dvips figure.dvi -pp 1-1 -o figure1.ps % dvips figure.dvi -pp 2-2 -o figure2.ps % dvips figure.dvi -pp 3-3 -o figure3.ps % dvips figure.dvi -pp 4-4 -o figure4.ps % dvips figure.dvi -pp 5-5 -o figure5.ps % dvips figure.dvi -pp 6-6 -o figure6.ps 完成品 |